根管治療ROOT
根管治療とは

歯の中には、根管(神経や血管が存在する部屋)と呼ばれる部分があります。
虫歯の進行などにより炎症を起こしてしまったり、死んでしまった神経や血管を取り除き、治療することを根管治療と言います。
虫歯が重症化していくと歯の内部で広がり、場合によっては歯を抜くという選択になることもあります。しかし根管治療で虫歯に感染した神経・血管・根管内虫歯を取り除くことで、歯を残すことができるケースも増えてきました。
根管治療が必要なケースとは?

歯の内部にある神経や血管は歯髄と呼ばれます。虫歯が悪化すると、歯髄の周囲まで細菌が入り込み歯髄に炎症が生じることがあります。これを「歯髄炎(しずいえん)」と言います。
この炎症を放置すると、歯の根もとの先端にうみがたまってしまう「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」になります。
このように歯髄まで細菌が感染している場合には、根管治療により感染した部分をきれいに取り除く必要があります。
マイクロスコープなどの治療機器で精密な治療を行います
マイクロスコープで肉眼では確認できない細部まで見ることができます

マイクロスコープとは医療用の高機能な拡大鏡で、患部を3倍~20倍に拡大した視野で治療することを可能する根管治療に欠かせない治療機器です。
マイクロスコープを使用することで肉眼では取りきることのできなかった感染物質(細菌等)を取り除くことができるようになり、炎症が再発するリスクを抑え、治療の成功率を大きく高めます。
とはいえ、まだまだ一般的ではないのが現状です。根管治療を検討される場合には、マイクロスコープが完備されているかどうかは一つの医院選びのポイントになります。
マイクロスコープだからこそ見えるもの
この画像は実際に1000円札をマイクロスコープで拡大したときの画像です。お札の右下にある図形を拡大すると、「NIPPON GINKO」と文字が細かく印字されていることがわかります。


このように、マイクロスコープを使用することで、肉眼では見ることができない小さなものを把握できるようになります。これにより、細くて、形もいびつな根管の中にある感染した神経を正確に取り除くことができるようになるのです。
歯の根の治療箇所をお写真でお見せします
歯の根の治療といっても、患者さまご自身では患部がどのようになっているのか目に見えるわけではありません。だからこそ、自分がどんな治療を受けているのか心配になるのだと思います。
そこで当院ではマイクロスコープで患部の拡大した画像を撮影し、ご覧になっていただくことで、治療の内容、進行具合などをお伝えします。治療の可視化をすることで、安心して治療を受けていただければと考えています。
状況によっては抜歯をしなくてもよいケースもあります
患者さまにとって、かけがえのない歯を失うのは大変つらいものです。
もちろん、歯の周囲の骨にまで細菌が入りこみ、強い炎症を起こしている場合、どうしても抜歯せざるを得ないケースもあります。
しかし、症状によっては根管治療で炎症を起こしている細菌を取り除くことで、抜歯することなく患者さまご自身の歯を使い続けることができる場合もあります。
歯科医院で抜歯と言われてお悩みの方はまずはご相談いただき、精密な検査を行い、根管治療をすべきかどうかを検討していただければと思います。
ラバーダムで用いることで清潔な状態で治療します
ラバーダムとは、治療中の患部に唾液や細菌が付着することを防ぐためのシートです。ラバーダムを使用することで患部を清潔に保った状態で治療することができます。(患者さまのご希望、口腔内の状況により使用しない場合もございます)
電動の治療機器で根管を清掃します

根管の細菌を除去する際には、ニッケルチタンロータリーファイルという自動型のファイルを使用します。通常では手で動かして使用するものですが、当院のものは自動型のため、より早く清潔に根管内を清掃することが可能です。
歯髄に炎症が生じることによる症状

歯髄まで細菌や炎症がひろがると、次のような症状がみられます。もし、下記の症状が見られた場合は根管治療が有効な可能性がありますので、お気軽にご相談ください。
- 冷たいものや温かいもので歯が強くしみたり、痛みが出る
- 歯ぐきの腫れや膿等の症状がある
- 噛むときに痛みが出る
- 何もしていないのに歯に痛みが出る
- 夜に激しく痛みが出る
なお、根管治療により歯髄を取り除いた歯は、痛みなどの異常に気付きづらくなったり、虫歯の再発や重症化しやすくなります。
根管治療では治療が終了したと安心するのではなく、より一層歯磨きを行い、定期的なメンテナンスをすることが大切です。